「冠婚葬祭とおくりもの」と私/小林明人

私はかつて百貨店に勤務しておりました。そのキャリアの中で従業員教育を担当した時期がありました。販売員に、百貨店にとって重要な売上のひとつである「進物・贈答」を承る際に必要な知識や技術を教育・指導する業務を任されました。

その際、お品選びやのし紙のノウハウを教えるうちに、「なんでそうなったのか?」「それにどういう意味があるのか?」をもっと分かりやすく教えることが出来れば、もっとみんなの理解が深まり身につくだろうと思いました。

そこで自分なりに勉強しなおしました。まずそもそも、冠婚葬祭ってなんだろう?進物って何だろう?と。それを追及することは日本人の生活文化、生活習慣や儀礼を知ることに行きつきます。大げさに言えば民俗学です。さらに、お客様からのお問い合わせやご質問が一番多いのは所謂「仏事」に関することであり、仏教に基づく葬儀や供養の儀礼とその意味、もっと言えば仏教そのものを学ぶことになりました。

民俗学については、民俗学の父・柳田国男先生、仏教については、評論家のひろさちや先生らの著作を読み、それまで知らなかったさまざまなことを知り、とても感動し「面白い!」と思いました。民俗学で大切なのは机上で学ぶことではなく、その場に赴くことだと教わり、出来るだけ本物に触れたいと、「のし」の由来である「のしあわび」の産地・伊勢志摩を訪れたり、東西文化の分かれ目とされる岐阜県、滋賀県周辺を巡ったりもしました。

その後、お客様からの進物・贈答に関するご相談・ご質問にお応えする「ギフト・コンシェルジュ」という職務を担当することになり、店頭で毎日お客様から様々なご相談、ご質問を承る日々になりました。これがまた、最高の経験になりました。

心がけたことは、「調べて参りますので少々お待ちください」と時間をもらわないこと。つまり即答することです。それにはそれまでに得た知識や経験、逆にお客様から教えていただいた情報を総動員し、お話をすることでした。実に楽しくやり甲斐のある毎日でした。

そんなこれまでに得た知識や経験を活かせればと、「まちの先生講座」に参加させていただいております。

講座で心がけていることは、出来るだけ易しく面白くお話しすること。のし紙、のし袋、包装紙や袱紗等は現物を使い、具体的にお話しすること。そして「こんな時どうする?」という、よく「あるある」困ったり悩んだりする事例の対処法をわかりやすくお話しすることです。もちろんご質問大歓迎です!皆様からのご質問の時間も多くとり、即答(これが大切!)させていただいております。

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