災害をイメージしてみよう!/米川好子

■活動のきっかけ:東日本大震災

2011年の東日本大震災により、予期せぬ輪番停電やガソリン不足・食糧不足が起こりました。職場や私生活に支障が出る中で、「具体的に震災とはどういうことなのか」を深く考えるようになり、翌年から災害支援看護師としての学びからスタートしました。以降は病院施設内での災害看護部門でざまざまな取り組みを行って参りました。

■心に刻まれたエピソード

学びの中で、特に感銘を受けたお話があります。それは、阪神淡路大震災を経験された看護師さんの実体験でした。

「早朝の地震で目覚め、身の回りのものだけを持って避難し、親戚宅へ向かって歩いていた時のことです。途中で、消防士さんたちが消防車から引きずり降ろされ、市民に暴行を加えられている場面の遭遇しました。消防士さんたちは抵抗せず、殴られっぱなしだったそうです。火災現場の向かおうとする消防士さんに対し、パニックに陥った人々が『まだ家が全部燃えていないのになぜ消火しないのか!』強引に消防車を止めてしまったのです。その結果、消火活動が遅れ、消防士さんも怪我を負う事態となったといいます。その看護師さんは4時間かけて、無事に親戚宅へたどり着いたそうです」

この話を聞いた時、私は背筋が凍る思いで言葉を失いました。災害はなぜ人をこれほどまで変貌させてしまうのか、なぜ理性を失わせてしまうのか。自然災害は経験してみねければ分からない部分が非常に多いのだと、痛感しました。

■活動の歩み

災害をイメージする事の大切さを伝えるため、2021年に「まちの先生」に登録し、生涯学習フェスティバルでは「自宅での備え」「もしも発災時の行動」、人権教育では「災害時における人権への配慮」講座では「災害時・あなたの健康被害について」「災害時の健康課題をイメージしよう;マイタイムライン作成」などについてお話をする機会をいただきました。

■これからの想い

近年、多くの自然災害が多発しています。社会構造の変化に伴い、かつての「向こう三軒両隣」という助け合いの感覚も薄れつつあります。だからこそ、今「私たち市民が出来る減災行動とは何か」を共に考え、行動するきっかけを作りたいという想いで講座を開いています。

私が大切にしているのは、「学びの循環」です。私が経験や学びを通じ手えた知識を皆さんに伝え、それを皆さんが日頃の備えに生かし、さらに身近な誰かへと繋いでいく。そのような学びが巡ることで、地域全体の防災力が底上げされると信じています。

日本では「医療・看護は献身的なもの」「災害支援はボランティア」というイメージが強いですが、災害に立ち向かうためには、自分自身が心身ともに健康であることが何より重要です。

まずは自分自身が自立した生活が送れるよう、日常生活の中に減災・防災を組み込んだ「自分らしいライフスタイル」を確立すること。その大切さを共有し、ともに学び合える場を目指しています。

特別なことではなく、防災減災の視点を共に考え学び合う場(サークル)も作っていきたいと考えています。一人ではなく、地域で備える。その一歩を踏み出しませんか。ご興味のある方は、ぜひご連絡をお待ちしております。

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